本プログラムでは、電子情報によるインタフェース、新材料による五感を超えるセンシングと大規模メモリの協奏などを通じ、学術、技術の進歩により人間生活の質の向上を目指しています。安全、環境、医療応用に対する技術・システムの品質・信頼性の確立には、このような融合分野は今後大きな貢献を果たすことでしょう。そこで、本研究科では半導体技術とバイオ技術の双方の知識と見識を持ち,融合領域を開拓することのできる次世代の研究者・技術者を育成するための履修プログラム「半導体・バイオ融合教育プログラム」を,全専攻の学生を対象に開設しています。
平成19年度には、このプロジェクトの一環として、下記2に掲げる履修プログラム「半導体・バイオ融合教育プログラム」を開設しました。これにより、半導体技術とバイオ技術の双方の知識と見識を持ち、新たな融合領域を開拓することのできる次世代の研究者・技術者を育成しています。
1.研究開発テーマ
(1)生体と半導体回路との接点となるBrain Machine Interface (BMI)の基礎技術を開発する
(2)半導体無線回路集積技術と電磁波の反射現象を用いてがん組織検出システムを開発する。
(3)新発見のシリコン結合ペプチドを用いてナノデバイスに抗体などの有機分子を選択的に結合するシリコン・バイオ法を開発し,多項目・高速バイオセンサーを実現する。これらとMEMS (Micro Electro Mechanical Systems) 技術を用いて医療を革新するユビキタス診断システムを開発する。
(4)単電子トランジスタを用いて超高感度バイオセンサーを開発する。
2.半導体・バイオ融合教育プログラムの概要
(1) 対象学生
本研究科博士課程前期の全専攻の学生を対象とします。
本プログラムの選択を希望する学生は、指導教員とよく相談の上、履修届にて申請してください。
(2) カリキュラム
各専攻の半導体・バイオ融合教育プログラム用の履修基準(広島大学大学院先端物質科学研究科細則別表p35、p37、p39参照)により履修していきます。
次の半導体・バイオ融合科目から4科目8単位以上を選択必修科目として修得することとなります。
① MEMS技術 (MEMS=Micro Electro Mechanical Systems) ② ナノバイオ融合マテリアル工学 ③ 複合センシング工学 ④ 生体情報処理システム ⑤ 分子・バイオデバイス工学 |
(3) 修士論文
半導体・バイオ融合領域に関わる研究テーマを設定して研究指導を受け、修士論文を作成します。テーマの選定については、指導教員とよく相談してください。
(4) 修了認定
上記2(2)及び(3)により本プログラムを修了した者には、修了認定証を授与します。
(5) 博士課程後期学生の単位修得
本研究科博士課程後期の学生も上記2(2)の半導体・バイオ融合科目を受講することができます。
科目区分 | 授 業 科 目 | 単位数 | |
基 盤 科 目 | 融合科目 |
先端物質科学特別講義 | 2 |
【概論科目 | |||
物質科学概論 | 2 | ||
生命科学概論 | 2 | ||
エレクトロニクス概論 | 2 | ||
実践キャリア科目 | 5研究科共通講義 | ||
大学院共通授業科目(外国語教育研究センター開設のものを除く。) | |||
職業教育特別講義 | 1 | ||
コミュニケーション科目 | 科学技術英語表現法 | 2 | |
コミュニケーション能力開発 | 2 | ||
大学院共通授業科目のうち,外国語教育センター開設の語学の授業科目 | |||
学術活動演習科目 | 海外学術活動演習 | ||
その他 | 研究科共通特別講義 | ||
専 門 科 目 | 演習科目 | 集積回路・プロセス演習 | 2 |
学外実習 | 2 | ||
(1)材料・デバイス科目 | 半導体物性工学 | 2 | |
電子デバイス物理 | 2 | ||
半導体シミュレーション工学 | 2 | ||
(2) 集積化技術科目 | LSI集積化工学 | 2 | |
集積化情報伝送工学 | 2 | ||
(3)システム・回路設計科目 | システムLSI設計 | 2 | |
アナログ集積回路A | 2 | ||
RF・高速回路設計のための電磁気学 | 2 | ||
マイクロプロセッサ設計 | 2 | ||
(4)横断科目 | 集積システム信頼性 | 2 | |
光電融合システム | 2 | ||
集積システム開発(メカトロシステム) | 2 | ||
(5)半導体・バイオ融合科目 | MEMS技術 | 2 | |
ナノバイオ融合マテリアル工学 | 2 | ||
複合センシング工学 | 2 | ||
生体情報処理システム | 2 | ||
分子・バイオデバイス工学 | 2 | ||
半導体光物性 | 2 | ||
ナノサイエンス | 2 | ||
その他 | 半導体集積科学特別講義 | ||
修士論文 研究科目 |
半導体集積科学特別研究Ⅰ | 10 | |
履修方法 (平成22年度以前生は科目区分・履修方法が異なっています。必ず入学年度の学生便覧の履修方法を参照してください。) | |||||||
1. 融合科目の概論科目は,4単位まで修了要件単位数に含めることができる。 | |||||||
2. エレクトロニクス概論は,指導教員の承認を得た場合に限り選択することができる。 | |||||||
3. 5研究科共通講義及び大学院共通授業科目の授業科目については,修了要件単位数に含めることができる科目と含めることができない科目がある。 詳細は,学生便覧に掲載の5研究科共通講義及び大学院共通授業科目に関する頁を参照すること。 |
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4. 実践キャリア科目は,4単位まで修了要件単位数に含めることができる。 | |||||||
5. コミュニケーション科目は,4単位まで修了要件単位数に含めることができる。 | |||||||
6. 海外学術活動演習は,2単位まで修了要件単位数に含めることができる。 | |||||||
7. 研究科共通特別講義は,2単位まで修了要件単位数に含めることができる。 | |||||||
8. 演習科目は,2単位以上修得すること。 | |||||||
9. 専門科目の半導体・バイオ融合科目を8単位以上修得すること。 | |||||||
10. 基盤科目(6単位以上12単位以下),専門科目,修士論文研究科目(10単位)を含め,合計30単位以上を修得し,研究指導を受けること。 | |||||||
11. 第15条ただし書の規定により1年以上在学すれば足りるとされた学生は,1年間で半導体集積科学特別研究Ⅰを10単位修得することができる。 | |||||||
12. 他専攻又は他研究科等の授業科目のうち,指導教員が必要と認めるものについては,専門科目の単位とすることができる。 |