コラム
第179回
アメリカフウ
小出 哲士
准教授
この写真を見てみなさんは何か気がつかれたでしょうか?
ナノデバイス・バイオ融合科学研究所の周りや広島大学工学部のまわりには,10月から11月の紅葉のシーズンになりますと,赤く色づき木々がたくさんあり,たいへんきれいです.こんなに科学技術が進歩した現在でも,木々が紅葉する理由はいまだはっきりしたことがわかっていないそうです.「もみじ」や「かえで」のように赤く色づくものもあれば,「銀杏」のように黄色く色づくのもあります.理由はわからないにしても,きれいなものはきれいだなぁとおもい,私はついつい写真を撮ってしまいます.また,色づいた木々をみながら歩いていますと,地面に沢山の葉っぱが落ちています.これを見ると,レオ・バスカーリア博士の「葉っぱのフレディ - いのちの旅 ―」を思い出します.子どもの頃はどうして葉っぱが落ちてしまうのだろうと不思議に思って,この本を読んでいろいろ考えたものでした.子ども達とも小さい頃にはいっしょに読んで,いろいろ話をめぐらせたことが,懐かしく思い出されます.残念などことに,歳をとると,とうとう葉っぱが落ちる意味など考えなくなってしまい,それよりも,葉っぱを掃除することばかりに気をとられてしまいます.子どもの頃のように,いろんなことに「なぜだろう」という好奇心を忘れずに持ちたいなと,改めて思う今日この頃です.
ナノデバイス・バイオ融合科学研究所(google map)の前にある「アメリカフウ(モミジバフウ)」のうち,下の写真にあるように1本だけが,濃い赤い葉っぱをつけたままでいます.はっきりした理由はわかりませんが,毎年,このアメリカフウだけが,12月の終わり頃まできれいな赤い葉っぱをつけたままです.丁度,木の近くに外灯があるのが何か影響をしているのかもしれませんが,とにかくきれいな葉っぱをみていると,元気がでてきます.広島大学の東広島キャンパスには,このようにたくさんの自然があります.google mapのストリートビューでもご覧いただけますが,是非,みなさんも実際に広島大学にお越しいただいて,自然と調和したキャンパスを見学していただければと思います.
ナノデバイス・バイオ融合科学研究所の周辺で見られるアメリカフウ