第118回 「バイブル」 佐々木 守 >> 教員紹介ページ |
それぞれの分野でバイブルと称されるテキストがある。例えば、私のやってきた分野では(異論はあるかもしれないが)”ANALYSIS AND DESIGN OF ANALOG INTEGRATED CIRCUITS” by Paul R. Gray, Robert G Meyer であろう。固体物理関係では、INTRODUCTION TO SOLID STATE PHYSICS by Charles Kittel の名前をよく聞く。これらに共通する特徴は(初版は)かなり以前に書かれたものである。数10年の間、改訂はされているものの、その内容は色あせ ず、最も根本的でかつ重要な事項を取り上げている証拠である。また、日本の通常の教科書に比べて、ページ数は多い。但し、冗長という訳ではな く必要最小限のことを筆を惜しまず網羅している(私の個人的な感想と言えばそうだが、共感してくれる人は多いと思う)。少なくとも自分の進も うとする分野のこのようなバイブルは是非ともじっくりと味わうように読んでほしい。もちろん通常の大学初学年生に読めというのは酷かもしれな い。これらのテキストがそれほどのストレスなしに読めるだけの数学などの素養を身につけることが大学初年度に求められている内容かもしれな い。
(2015/06/10)