広島大学 大学院先端物質科学研究科 半導体集積科学専攻

コラム   

第94回 「TEDを見ながら」
 
吉田 毅
准教授
先端集積システム工学研究室


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 何年か前のことですが,懇親会でTED (Technology Entertainment Design)が面白いという話になりました.TEDはアメリカで毎年開催される講演会で年会費$8,500を払わないと講演会に参加できないのですが,講演内容はインターネット上で公開されており,iPad等でも見ることができます.良い情報を得たと思い,時間を見つけては視聴するようになりました.確かに講演者の発表はとても分かりやすく勉強になります.最初に動機や論点を明らかにし,次に統計的なデータや身近な実例などを示しながら聴衆の共感を得て,解決策などを詳細に明示していく手法は発表のお手本です.さらに発表者のアイデアがとても興味深く,異分野であっても共感できます.今回は,最近見たMeg Jayの”Why 30 is not the new 20”を紹介したいと思います.
 近年,各国で平均寿命が伸びており,例えばちょっと前の定年である60歳でも元気に活躍されている方が多々おられます.そのため,今の年齢よりも10歳若いのが昔の年齢(つまり今の70歳は昔の60歳)に対応しているという感じを受けます.アメリカでも同様で,今の30代は昔の20代であるという風潮があるようです.しかしMeg Jayは,“この考え方は20代に行うべきことを先延ばししているだけで何の解決にもならない.20代ではキャリア形成のためにも自分自身の価値を高めることをする,つまり自分の将来の理想像に近づくために自分への投資になる“何か”をするべきである.“と述べています.大学院の皆さんであれば,研究を通して論理的な考え方を修得すること,研究分野も含む幅広い知識を修得すること,研究発表等の経験を積むこと等が対応するのではないでしょうか.先延ばしにしないで,今できることをしっかり行って頂ければと思います.

参考:Meg Jay, “Why 30 is not the new 20”,
http://www.ted.com/talks/meg_jay_why_30_is_not_the_new_20

 

(2014/06/04)



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