コラム
第81回
「お気に入りのスニーカーについて」
村上 秀樹
助教
量子半導体工学研究室
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私がここ数年履き続けている(買い替えながら8年ぐらい)スニーカーがある。
Spingle move
というブランドで、広島県府中市に本社工場があり、純国産、純広島産のブランドである。これだけで、いまどき貴重である。スニーカーなんか人件費の安い海外で生産されている製品の典型例として挙がるものの一つと思う。
私がはじめにこの靴を知ったのは、広島ローカルテレビ番組で取り上げられているのを見た時だ。その番組では、広島のゴム関連製品において実績があり、高い技術を持っている会社が、さらなる発展を目指して2002年に立ち上げた靴のブランドであると紹介されていた。気になったので少し調べてみると、素材の研究、ゴム素材の試験・調合から、製作工程、すべてが人の手で行われており、手作りだからこそ実現しうる履き心地が売りであることが紹介されていた。
これは是非履いてみたいと思い、一足購入したのがこのブランドの靴との馴れ初めである。この時の購入価格が15000円くらいだったと思う。スニーカーにしては安い値段ではない。海外有名ブランドの売れ筋のスニーカーが買えてしまう値段だ。こんな値段のスニーカーは買ったことはなかったのだが、ここまできたのだからと購入した。
履いてみると、なるほど、何となく心地よい感じがする。新しいときも靴ずれなどはなかったし、何よりこれまで履いた靴の中では最も疲れにくく、少なくとも値段以上の価値はあると思った。
しばらく履いていると、耐久性のあるとはいっても、底のゴムが擦り切れて穴が空きそうになった。そろそろ買い換えたいと思ったので、候補の一つとしてこのブランドのホームページを見ていると、「修理対応可」 という記述に目が止まった。スニーカーの修理は初耳だった。これはぜひ試さなくてはと思い、お願いすることにした。郵送しておいたら2週間くらいで帰ってきた。費用は5000円位だったと思う。
仕上がりをみて、これは確かに「手作り」だ。職人気質 満載である。すっかり気に入ってしまい、以来履き続けている。
前のコラムでも書いたのだが、私はこんな職人気質が大好きだ。後に知ったことであるが、この会社がある府中市は備後地方とよばれ、この地域の製造業の会社は、なんとなく「職人気質」があり、ユニークな会社が多いと思う。半導体関連会社も多く存在している。
日本の製造業は、職人のもつ「匠の技」に頼りすぎ、大事にしすぎるあまり、ビジネスにおいて世界のスピードについていっていない、という意見を聞いたことが有る。一理はあるのかもしれないが、日本人の持つ貴重な財産ともいうべき「職人気質」を生かしていくことは、非常に重要と私は思うのだが・・・・
(2013/12/04)
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