コラム
第73回
「大学における研究所は如何にあるべきか?」
吉川 公麿
教授
ナノデバイス・バイオ融合科学研究所
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国際ナノデバイス技術ワークショップを2013年3月5日に開催しました。昨年度から、文部科学省と各国立大学の間でミッション再定義の意見交換が行われ、附置研究所・センターについても共同利用拠点の議論が行われています。このような背景をふまえ、ワークショップのテーマを「大学における研究所は如何にあるべきか?」として、世界トップの大学や企業から先生や研究者を招き、外国から見た日本の大学の最先端研究のあり方について議論しました。
Stanford大学のSaraswat教授、Yale大学のMa教授、ハーバード大学のYoon研究員(Ham教授の代理)、Intel社のBohr博士に基調講演としてそれぞれの立場から意見を述べていただきました。また、医学部の秀先生、先端研の池田先生には最新の半導体と生物/医学融合領域の研究を紹介していただきました。その結果、世界中の大学の研究所・センターは限られた予算の中で同じ問題意識を持っており、一つの方向性として、半導体電子工学と生物学と医学の融合研究による新しい学問・産業創出を目指していることが明らかになりました。
イブニングパネルディスカッションでは「日本の大学における研究所・センターは如何にあるべきか?」と題して、次期応用物理学会長の鳥海先生(東大)をオーガナイザーに迎え、歯に衣着せぬ大胆な議論が時間を大幅に延長して参加者も含めて交わされました。そこから見えてきたことは、世界のトップ大学、企業の立場から見ても、広島大学でチームとして医学/電子工学の最先端融合研究を行うことは、過去の半導体研究の実績から鑑みて、必ず新しい学問・産業を創出することに寄与できるということです。
最後に、Intel社の最先端技術開発最高責任者であるBohr博士の言葉です。「広島大学の半導体集積回路技術の研究施設設備はMITやStanfordに匹敵する世界最高水準にあることは間違いない。だからこそ、学内の他部門との共同研究を増やし、日本国内の他大学との共同研究を増やして、もっと広島大学が日本における技術研究開発に貢献してほしい。」
(2013/7/12)
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