コラム
博士課程後期に進学し、そろそろ2ヶ月が経とうとしています。今回、この機会を利用して研究室に配属されてから修士を修了するまでの自分自身の研究の実体験とその時に感じたことを書かせて頂きたいと思います。
学部4年生で研究テーマを決めるとき、私は大学院に進学するつもりだったため卒業後も続けられる研究テーマを選びました。研究のおおまかな流れとして、実験で使う装置を新たに自作し、それを用いてサンプル作製を行いました。この作業の中で、新たな装置を自分自身で一から組み立てることが大変でした。事前に原理的に実験可能かどうか理論計算を行い、それを基に装置の図面を描き、必要な材料をそろえて工作機械で加工します。一文で簡単に手順を書きましたが、手作りの装置が実際に稼動するまで4ヶ月以上かかりました。また、加工して形が出来上がってくるまでは作業が進んでいるという実感がわかず苦しい思いもありました。しかし、設計通りに自分だけのオリジナルの装置が完成したときは非常に達成感がありました。装置の改良は現在でも行なっており、このときの経験が役に立っています。
博士課程前期進学後に心に残った経験は海外での学会発表です。一番衝撃的だったのは満席の大きな会場で、同じ位の年齢のアジア系の学生が堂々と口頭発表をしていたことです。発表内容が優れていたというよりは自分の研究内容を世界に発信していきたいという姿勢が強く表れていました。遠く離れた同じ年代の人が頑張っている姿を間近で見せられて、すごい励みになりました。海外の学会発表は多くの外国の研究者と触れ合える日本にいるだけでは味わえない機会だと思うので、是非一度行ってみて下さい。
これからも様々な体験を経験し、いい刺激を受け取りつつ、少しでもこれからの生活に役立てていければと考えています。
写真は米国・サンフランシスコにあるゴールデンゲートブリッジ