広島大学 大学院先端物質科学研究科 半導体集積科学専攻

コラム   

第37回 「みんなでワッショイ、ワッショイ!」

梶山 博司

 
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 早いもので、半導体集積科学専攻にお世話になって6年目に入りました。最初の5年はプラズマディスプレイ(PDP)の研究が主体でしたが、今年度からは全く新規の半導体蓄電池の研究を始めました。同じタイミングで、JSTの先端的低炭素技術開発事業(ALCA)と経済産業省プロジェクトが採択されたのは幸運でした。工学部井上修平先生、名古屋大学宮崎誠一先生をはじめ、学内外の研究者と大チームを組んで課題に取り組んでいます。私一人では何もできないのですが、当研究室在籍の研究員3名、D3,M2、M1各1名、共同研究員1名の全員の協力のお陰で、目標に向って歩むことができています。このコラムは、そんな彼らに思うことを自由で書いてもらったものです。研究室で感じたこと、体験したこと、為になったこと(あれば嬉しい!)、ここは直して欲しい、さらには、絶対に我慢できないとか、どんなことでも遠慮しないで書いていいと伝えてあります。原稿は検閲なしで掲載しますので、最後までお読み頂ければ幸いです。



梶山研究室メンバー


田中大

(研究員)


堀崇展

(D5)


朱笛

(D3)


宮本真太郎

(M2)


成興

(M2)


大友惇

(M1)


矢野孝伸

((株)アルバック)


田中大(研究員)
 広島大学で研究員としての生活がスタートして約4ヶ月が経ちます。研究に関して、私の能力・経験不足から未だ迷走中の感は否めませんが、試行錯誤を繰り返し日々精進しているところです。
 学生の頃は、出来合いの装置を用いて単純に測定方法のみを覚えることが主だったのですが、ここに来て、「何かをゼロから立ち上げる」ということは、本当に大変なのだな…と痛感しています。
 しかしながら、単に見聞きしたものでなく、自分の体を使って実験や準備に携わっていると、自分に足りないものがとてもクリアに見えてきます。それはほぼ間違いなく、専門分野が違うから…などという言い訳で自分がこれまで避けてきた分野であったりするのですが、必要に迫られると人間、興味が湧くもので、学生時代に使っていた―ただ持っていただけの―教科書や参考書等を広げてみると、違った視点から物事を解釈することができて、今更ながらとても考えさせられます。
 学生さんに何かを説明する時も、「あれ?ここは、こうでよかったのかな?」と、うろ覚えな自分を再認識した後に勉強し直すと、より一層理解が深まり、「教えることは教えられること」とはよくいったものだなと感じています。また、私は人から褒められるような突出した才能の持ち主ではありませんが、出会う人に恵まれる才能だけは持っているようです。
 特に大した目標もなく、のんべんだらりとした毎日を過ごしてきた私ですが、今現在、とても恵まれた環境の中、エキサイティングな研究に打ち込めるのも偏に、懇切丁寧に指導してくださる先生方、積極的に協力してくれる学生さん達、私を取り巻く全ての方々のおかげであると信じています。
 思いつくままに今自分が感じている事を綴り、脈絡のない文章になってしまいました。
 最後に。今まで聞いたことがない単語が飛び交う悪戦苦闘の毎日ですが、皆と協力し、―これが一番重要な事だと思うのですが―『楽しみながら』研究に励んでいこうと思います。

宮本真太郎(M2)
 M2の宮本真太郎です。私は、今の研究室に来てから学んだことを書こうと思います。
 私が最初に学んだことはネジの締め方でした。それは体を使って装置自体の扱いに慣れる必要があったからでした。これは新しい測定のために装置の立ち上げ等にその感覚が役に立ち、その重要性を身をもって感じました。また学会で発表する機会があり、自分の測定したデータを発表することの喜びと同時に、伝えることの難しさも感じました。私はこの研究室に来て多くのことを学び、一回りも二回りも成長できたと実感しています。

大友惇(工学研究科 M1)
 M1の大友惇です。今、私達はVHFプラズマCVD・熱ルミネッセンス・XAFS・SAXSと様々な研究を行っています。私自身は工学研究科所属であり、学部時代の研究は「量子化学計算」という現在行っている研究とは180度違うものでした。修士1年になり、研究において本研究室にお世話になることになったのですが、やはり最初は自分の学んだことのなかった分野に戸惑いを隠せませんでした。しかし、知らない分野の勉強をするうちに、いろいろな発見があり、それによって知見が広がっていきました。一つの分野を突き詰めるのもいいですが、幅広い分野での考え方ができるようになることも大事なことではないかと私は思います。
 本研究室には中国人の留学生がおり、英語でコミュニケーションをとったりと国際色豊かなところも魅力的です。英語が苦手な私は、苦戦をしいられているところです。また、学会発表にも積極的で、9月には自身初めての学会発表があり、学会独特の雰囲気を感じたり他大学の学生の発表を聞いたりと非常にいい経験になりました。
 最後になりましたが、残り1年半の間しっかりと研究に励んでいきたいと思います。

成興(西安交通大学 M2)
廣大生活小記
 大家好。我叫成興,來自中國西安交通大學,現為二年級碩士研究生。
 光陰荏苒,我以交換生的身份來到廣大已經四十幾天了。這是一段可以讓人漸漸熟悉新環境的時間,所以現在有必要把自己在日本的生活經歷做一個小小的總結。
 這是我第一次來日本,廣大優良的學術氛圍、日本優美的的自然風光、日本國民敬業的工作精神都給我留下了很深刻的印象。在大家的指導以及自己的努力下,這四十幾天來我獲益良多。
 目前我主要從事關於半導體蓄電池的研究工作。半導體蓄電池是一種全新的電池,它具有無可比擬的電學性能,其理論蓄電量可達同等規模鋰電池的六倍以上。其簡要機理如下:利用超高頻電壓進行化學氣相沉積技術鍍膜(VHF-PECVD或RF-PECVD),之後用紫外線處理氧化物薄膜,再封裝好絕緣層、電極之後就製成了半導體蓄電池。
 目前我們已經搭載好了實驗平臺,其間遇到了很多意想不到的困難,尤其是在防止真空洩露方面。接下來就要開始正式鍍膜了,一定會有很多意想不到的問題會接踵而至,不過我們的團隊一定會倍加努力并最終取得成功!

My Life at Hiroshima University
  Hello, everyone! I’m Cheng Xing, the second year’s student of master from Xi’an Jiaotong University of China.
  How time flies! It has been more than 40 days since I came to Hiroshima University as an exchange student. Such a long time could make it possible for me to be familiar with a new environment,therefore, I should do a little summary for my experiences in Japan.
  It is my first time to come to Japan. The excellent academic atmosphere of Hiroshima University, the beautiful natural scenery of Japan, and the devotion to work of Japanese people impressed me so much. With the guidance and help from others,I got a lot of improvement in study.
  At present,I’m mainly engaged in the research on semiconductor battery. Semiconductor battery is brand new with exceedingly outstanding electrical properties, and its theoretical charge capacity could reach up to six times more than lithium batteries under same size. The brief mechanism is as follows:a thin oxide thin film is sputtered on the substrate using VHF-PECVD or RF-PECVD method, and then it is processed by UV,covered with insulation layers and electrodes. Finally,the battery is fabricated.
  We have equipped ourselves with a good experimental vacuum platform since one month ago, during which we encountered many unexpected difficulties,especially in anti-vacuum leakage. Next we will begin the formal film-coating process, and there will be many unexpected problems, however, we will redouble our efforts and get the ultimate success!

(2011/9/16)


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