広島大学 大学院先端物質科学研究科 半導体集積科学専攻

コラム   

第16回 「研究所から出たところには・・・」
 
小出 哲士
 
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 ナノデバイス・バイオ融合科学研究所の玄関を出て,工学部の方向を見ると写真のような風景が目に入ります(写真1).

写真1

 この写真を見てみなさんは何か気がつかれたでしょうか?広島大学工学部の楓は,12月6日現在の広島大学のトップページに写真(写真2)が掲載されていますが,10月から11月の紅葉のシーズンになりますと,赤く色づきたいへんきれいです.こんなに科学技術が進歩した現在でも,木々が紅葉する理由はいまだはっきりしたことがわかっていないそうです.紅葉や楓のように赤く色づくものもあれば,銀杏のように黄色く色づくのもあります.理由はわからないにしても,きれいなものはきれいだなぁとおもい,私はついつい写真を撮ってしまいます.また,紅葉をみながら歩いていますと,地面に沢山の葉っぱが落ちています.これを見ると,レオ・バスカーリア博士の「葉っぱのフレディ - いのちの旅 ―」を思い出します.子どもの頃はどうして葉っぱが落ちてしまうのだろうと不思議に思ったものでしたが,この本を読んでいろいろ考えたものでした.でもこの年齢になると,とうとう葉っぱが落ちる意味など考えなくなってしまいました.それよりも,葉っぱを掃除することばかりに気をとられてしまいます.一年前に拾って押し花(押し葉っぱ?)にした楓の葉っぱは,当時よりは赤みが少しくすんではいるものの,楓の手のようにきれいなままなのには驚きました(写真3).

左から写真2、写真3

 さて,最初の質問にもどりますが,写真をよくみると,1本の楓の木にはすこし赤くなった葉っぱがあるものの,緑色の葉っぱもたくさんあり,ほとんど葉っぱが落ちていないことに気がつかれたでしょうか?不思議に思っているある日,夜に同じ場所にいってみて理由がわかりました.皆さんもお気づきになったかもしれませんが,木の横に街灯がたっているのです.そうこの楓の木は夜も光があたっていて,今がもう冬だということがわかってないようなのです.別の言い方をすれば,街灯のわずかな光を頼りに,光合成をし続けて,葉っぱが頑張っているのかもしれません.生命力とはすごいものだなぁと感銘をうけてしまいました.ちょっとした「発見」でした.

 広島大学には農場が学内にあります.写真4は通勤途中に撮影した農場の牛のえさとなる草を育てるところの写真です.緑色の葉っぱがたくさん繁っており,牛のえさになることもわすれて(?),冬の寒さに耐えながら育っています.それにしてもきれいな緑です.広島大学にはこのようにたくさんの自然があります.みなさんも一度学内を散歩してみてはどうでしょうか.いろんな「不思議」がひそんでいます.

写真4

 今年は9月に右膝を怪我してしまい,写真5のように1ヶ月ほど歩くのが不自由な生活をしました.意外と松葉杖で歩くのはたいへんで,荷物も持てないし,特に階段の上り下りが大変でした.ちょっとそこまで買い物に行くのに,3分でいけたところに15分もかかったりして,健康な時には気がつかないことをいろいろ体験させられた1ヶ月でした.でも,松葉杖で歩いていると,ドアを開けてくれる方はいるし,レジで買ったものを入れてくれる方もいるし,バスにのれば席を譲ってくれる方もいて,日常のちょっとした出来事にいろいろと「気づき」がある毎日でした.

 さて,コラムということで,何を書こうかと迷いながら,だらだらと書いているとテーマもなく,ブログのようになってしまいましたが,ご勘弁くださいませ.ついでに,広島と言えば「お好み焼き」が有名ですが,関西出身の私が初めて広島に来たときに,お好み焼きを注文したら,お店のおばちゃんが「そば,うどん?」と聞きます.私はよくわからなかったので,「お好み焼きお願いします」とまたいいました.そしたら,おばちゃんが「だから,そば,うどん?」とまたいいます.しばらくすると,「肉・玉・そば,ね」といって作り始めた時のことを思い出しました.今では,行きつけのお好み焼き屋に行くと,何も注文してないのに,おばちゃんが「いつものね」といって写真6のお好み焼きが自動的にでてくるようになりました.「うどん」が食べたい今日この頃ですが,とうとう「お好み焼き」=「広島風お好み焼き」になってしまいました.

  

左から写真5、写真6

 気がつくと12月の師走になりましたね.今年は意外に寒くないので,ここ東広島も朝晩以外はあまり寒くありません.例年であれば,今の時期は夜に帰る時はフロントガラスに霜が凍り付いて,お湯をかけないと帰れないのですが,まだ大丈夫のようです.そういえば,去年は新型インフルエンザの驚異におびえておりましたが,今年は不思議なことに,そんな話題もすくなくて,マスクも簡単にお店で買えます.「慣れ」ということは不思議なものです.

 本当にテーマがない文章になってしまいました.それはともかく12月は忘年会ですね.今年は黒ひげを飛ばさないようにして,学生に負けずに景品をゲットしたいですね(写真7).(「ゲットしたい」というと,マタウシュ先生から「カタカナ」についてご指導されそうですねぇ).続きはまた.これから国際会議のホームページを修正します...

写真7                


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