広島大学 大学院先端物質科学研究科 半導体集積科学専攻

コラム   

第2回 「自分なりの研究スタイルを大切に!」
 
宮崎 誠一
 
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卒業研究まで遡ると、半導体関連の実験研究に携わって30年になる。幸なことに、人も含めて研究環境に恵まれたことと、基本的には、自分のスタイル、こだわりで研究することができたことが、続いている理由の1つだと思う。個人的に面白いと感じる実験は、得られた結果が予想と違った時である。きちんと実験されていれば、その結果の良し悪しには、あまり関係ない。もちろん、理想的で完璧な実験は出来ないので、結果の再現性をチェックする必要はあるが、予想と違った結果は、自分の理解や考えを見直すきっかけになるし、少なくともこれまでの見過ごしていた点を気付かせてくれる。それによって、新たな現象の発見に繋がるかもしれないと思う。だから、その時点での結果の良し悪しはそれほど、問題ではない。逆に、予想通りの結果は、これまでの理解の確認や再現性のチェックであり、より深い理解には直結しない。極端な言い方をすれば、新たな知見を得るという観点からは、その実験を敢えて行う必要はなかったことになる。常に成果が求められ、計画通りの研究推進が重要視される今日ではあるが、面白くなければ長続きしないし、深みのある研究も出来ないと思うので、これからも予想と違った結果を大切に、研究を続けるだろう。
 最後に、広島大には、学生として9年、教員として24年の長きに渡って在籍し、非常に多くの諸先生方からのご指導・ご支援に加えて、同僚や学生諸君の理解と協力があって、様々な困難な状況を何とか乗り切ることができた。この場をかりて、心より感謝の意を表したい。
(5月31日広島大学退職、6月1日より名古屋大学 大学院工学研究科 電子情報システム専攻情報デバイス講座 機能集積デバイス研究グループ 教授)
   
 
 

 
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